小規模事業者「持続化補助金」の次年度募集要領が3月22日に発表されました。
小規模事業者とは、細かい規定はありますが、商業・サービス業であれば常時使用する従業員5人以下、それ以外の業種は20人以下であれば対象となります。
今年度までは一般型が50万円、低感染リスク型が100万円でしたが、一般型はそのままで、低感染リスク型がなくなり、新たに5つの枠ができました。特に賃金引上げ枠は赤字事業者の場合は補助率が3/4となっています。これが低感染リスク型の後継といえるでしょう。
①賃金引上げ枠
補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上とする必要があります。補助金を請求する際、その証拠を求められ、この要件を満たさない場合は、補助金の交付は行いませんので十分注意してください。空手形はNGです。なお、すでに事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上を達成している場合は、現在支給している事業場内最低賃金より+30円以上とする必要があります。
なお、赤字事業者については、補助率を3/4に引き上げるとともに加点による優先採択される優遇措置があります。「賃金引上げ枠」に取り組む事業者のうち、直近1期または直近1年間の課税所得金額がゼロである事業者が対象です。
<法人の場合>
直近1期分の法人税申告書の別表一・別表四の「所得金額又は欠損金額」欄の金額。
<個人事業主の場合>
直近1年間の「所得税および復興特別所得税」の「確定申告書」第一表の「課税される所得金額」欄の金額。
②インボイス枠
免税事業者からインボイス発行事業者に転換する小規模事業者に対して補助上限額100万円に引き上げるものです。現在、免税事業者の方は法改正により、2021年9月30日以降、インボイス(適格請求書)発行事業者となるかどうかを選択しなくてはなりません。つまり、税金を納めなくてはならないということです。
選択しないという選択肢もありますが、取引先がインボイス(適格請求書)発行事業者の場合、仕入先もインボイス(適格請求書)発行事業者の方が節税できるため、結果としてインボイス(適格請求書)発行事業者でないと仕事がもらえない可能性があるわけです。
◆補助対象となる経費
補助対象経費の科目については従前の11つの科目のまま変動はありません。ただし、今回ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額の1/4の上限が規定されました。またウェブサイト関連費
のみによる申請はできなくなっています。一般枠は最大50万円ですから、ウェブサイト関連費に充てることができるのは最大12.5万円までとなります。ここは大きな変更です。WEBマーケティング関連費用をメインに考えていた場合には再考する必要がありますので注意ください。
◆商工会・商工会議所の事業支援計画書(様式4)
一般型は従来より必要であり、低感染リスク型は不要でしたが、今回すべての枠が必要となりました。
低感染リスク型は応募期間ギリギリまで大丈夫でしたが、これからは商工会等と相談してスケジュール調整を行う必要があります。
◆加点について
審査観点は特にかわりませんが、加点観点は一部変更になりました。新たに加わったのは①、②です。
①パワーアップ加点
②赤字賃上げ加点
③経営力向上計画加点
④電子申請加点
⑤事業承継加点
⑥東日本大震災加点
⑦過疎地域加点
①は地域資源型と地域コミュニティ型があり、それぞれ以下となります。
①パワーアップ加点
○地域資源型
地域資源等を活用し、良いモノ・サービスを高く提供し、付加価値向上を図るため、地域外への販売や新規事業の立ち上げを行う計画
○地域コミュニティ型
地域の課題解決や暮らしの実需に応えるサービスを提供する小規模事業者による、地域内の需要喚起を目的とした取組等を行う計画
②赤字賃上げ加点
賃金引上げ枠に申請する事業者のうち、赤字である事業者に対して、採択審査時に政策的観点から加点(=赤字賃上げ加点)を行うもの
◆応募の制約
過去、持続化補助金を採択された方は一定期間対象外となります。具体的には以下の通りです。
以上が主要な変更点でした。
200万円級の枠は予算上限があることを考えると、採択数は少なく設定されていると想定されます。
単純にいって、最悪、一般枠の1/4になることがあり得ます。筆者の予想では20~30%くらいになるのではないでしょうか。
補助金申請は事業計画書、加点が大きな要素となります。
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