令和3年度補正で予算が増額された事業再構築補助金。中小事業者庁は2021年12月に今後の方針を発表。全5回の予定であった公募回数を8回まで延長し、第6回公募が3月28日より開始されました。

第6回のスケジュール
第6回公募のスケジュールは次の通りです。

公募開始:令和4年3月28日(月)
申請受付:令和4年5月下旬~6月上旬予定
応募締切:令和4年6月30日(木)18:00
結果発表:令和4年8月下旬~9月上旬予定

◆主な変更点

ここでは2022年3月28日に発表された第6回の公募要領をひもとき、8つの大きな変更点について分かりやすく説明します。

変更点 ①売上高10%減少要件の緩和

事業再構築補助金の主な2つの補助対象要件のうち、売上高10%減少要件が第6回から緩和されました。

【中小企業庁】
「2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していること」のみを満たせばOKとなります。
これにより、一旦はコロナ拡大により売上が下がったものの、現在は回復傾向にあったとしても申請できることになります。
なお「コロナ以前」とは、2019年または2020年1月~3月をさします。

変更点 ②回復・再生応援枠の新設

 コロナ禍での苦境が続く事業者向けに、「回復・再生応援枠」が新設されます。この枠の要件は、「①2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年または2019年同月比で30%以上減少している」「②再生支援協議会スキーム等に則り再生計画を策定している」のいずれかを満たすこと。

補助上限額と補助率は以下のとおりです。
実質的には、緊急事態宣言特別枠(第6回から廃止)の後継といえるでしょう。

従業員数5人以下 :補助金額100万円~500万年(補助率:中小企業3/4)
従業員数6~20人:補助金額100万円~1,000万円(補助率:中小企業3/4)
従業員数21人以上:補助金額100万円~1,500万円(補助率:中小企業3/4)

変更点 ③グリーン成長枠の新設

 第6回公募からグリーン成長枠が新設されました。研究開発・技術開発または人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題の解決に資する取組を行う中小企業等の事業再構築を支援するものです。

グリーン成長枠の対象になる事業者の要件は以下のとおりです。

【中小企業庁】
通常枠の要件と大きく異なる点は、次の5つです。
(1)売上高10%減少要件がない(コロナ禍で売上が下がってなくても良い)
(2)補助事業終了後3~5年で事業者全体または従業員一人あたり付加価値額の年率平均5.0%以上増加の達成を見込む事業計画の策定が必要 (※通常の要件は年率平均3.0%以上増加)
(3)グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題解決に資する取り組みが必要
(4)2年以上の研究開発・技術開発または一定数以上の従業員への人材育成が必要

「売上が減っていないから事業再構築補助金は関係ない」と認識していた事業者でも、要件を満たせばグリーン成長枠を活用できます。今後の事業発展の方向性がグリーン分野の課題解決と合致する場合は、ぜひ活用すべきです。

変更点 ④通常枠の補助上限額の縮小

第6回公募からは、より多くの事業者を支援するために1社への補助上限額が縮小されました。次のように変更となります。特に影響が大きいのは従業員20人以下の事業者です。

[補助金額]
従業員数20人以下 :100万~2,000万円
従業員数21~50人 :100万~4,000万円
従業員数51~100人 :100万~6,000万円
従業員数101人以上 :補助金額100万~8,000万円

[補助率]
中小企業 :原則2/3、6,000万円超は1/2
中堅企業 :原則1/2、4,000万円超は1/3

変更点 ⑤補助対象経費の制限強化

 従来は「建物費」の経費区分で建物の新築工事が補助対象でしたが、第6回公募からは基本的に補助対象が既存の建物の改修工事のみに縮小され、新築工事には、一定の制限が設けられることになりました。
 また、「研修費」も、補助対象経費総額の1/3が上限となり、従来よりも縮小されます。

変更点 ⑥事前着手の対象期間の見直し

 補助金の交付決定前にさかのぼって経費を申請できる「事前着手制度」の対象期日が第5回公募までの採択事業者は、“2021年2月15日以降に発注した設備投資や販促活動など”を遡って補助対象にできましたが、第6回からは2021年12月20日以降となりました。これより第5回で申請し再チャレンジを検討している方は対象となる経費の範囲が変わりますのでご注意ください。

変更点 ⑦複数事業者等連携型の新設
 従来は事業者単体での申請のみを受け付けていましたが、第6回公募からは他社との連携(最大20社)による申請が可能となります。1者あたり各申請類型の上限額を上限として、最大20社まで連携して申請することを認め、一体的な審査を行うとされます。

 事業再構築補助金の審査項目には、「単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。」という記載があります。効果的な連携は、事業成功の可能性だけでなく、事業再構築補助金の採択の可能性を高めることにもつながります。

変更点 ⑧審査項目の追加

・政策点
 政策点として、「ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済社会の変化に伴い、今後より生産性の向上が見込まれる分野に大胆に事業再構築を図ることを通じて、日本経済の構造転換を促すことに資するか」が追加されました。

・加点項目
 緊急事態宣言の影響を受けた事業者への加点項目がなくなり、大きく売上が減少しており業況が厳しい事業者に対する加点が追加されました。

以上が主要な変更点でした。

2022年度は第6~8回まで3回の実施が確定しています。申請受付は6月上旬の予定です。事業再構築補助金は認定経営革新等支援機関(認定支援機関)とともに事業計画を作成する必要があります。当社は豊富な申請経験をもち、事業再構築補助金の採択率は過去100%です。

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