現在、小規模事業者にとってもっとも使いやすい補助金である「小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型)」の事例をご紹介するブログの第2弾は「飲食店」業です。
ちなみに第1回目のブログは美容室・理容室でした。まだご覧になっていない方は、第1回目のブログをご覧ください。
さて、多くの飲食店の経営をしておられる方は、緊急事態宣言、まん延防止の措置により、大きな影響を受けていらっしゃることと思います。一方、コロナ感染者数はおさまるどころか、拡大の一途。お客様のことを考え、自粛要請の対応したり、少しでも感染リスクを回避するために、間仕切りや消毒液の設置など、感染対策を実施している企業がほとんどであると思います。
一方、外出の自粛に伴い、内食、出前等の対応で済ますお客様も増えており、コロナ禍での一過性の状況というよりも、アフターコロナにおいても、こうした消費スタイルが常態化するとも言われている状況です。そうした巣ごもり需要、内食化傾向に対し、抜本的に営業スタイルを変える必要性を感じている経営者の方も多いのではないでしょうか。そうした攻めの経営戦略に対し、そのための資金繰りの手段として使えるのが「小規模事業者持続化補助金(低リスク感染型)」です。
[1]小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型)とは
「小規模事業者持続化補助金」とは、小規模事業者が取組む販路開拓や生産性向上の取組みを支援する目的で交付される補助金です。小規模事業者の定義は以下の通りです。飲食店はこの表における「商業・サービス業(宿泊・娯楽除く)」に該当します。つまり常時使用する従業員の数が5人以下であれば対象となります。
【低感染リスク型ビジネス枠】
小規模事業者等がポストコロナ社会に対応したビジネスモデルの転換に資する取組や感染防止対策費(消毒液購入費、
・換気設備導入費等)の一部を支援する補助金。
・補助額:上限100万円、補助率:3/4
・補助対象:対人接触機会の減少を目的としたテイクアウト・デリバリーサービス導入、ECサイト構築など
まさに、感染防止のための消毒液の購入費、換気設備導入費等の資金繰りの手段として活用できるだけでなく、キャッシュレス化、ECサイト構築等といったIT化への取組みも対象となります。対象となる費用の具体例は以下の通りです。 ・チラシ・ポスター・ポップ・パンフレット等の作成
・HPの制作、改良
・Webマーケティング(リスティング広告、SNS広告等)
・店舗のイメージキャラクター制作
・店舗の改装(内装・外装)
・看板の設置
・新しい美容器具の導入(洗面台を含む各種美容器具)
では、飲食店におけるコロナ禍における攻めの戦略について、事例を通じてみていきましょう。
[2]飲食店の活用事例
⑴非対面型飲食店への転換事例
<和食料理店:従業員3名>
①強み
・駅から徒歩2分のアクセスの良さ
・味の良さに自信。お客様から「コスパがいい」「一人でも寄りやすい」というお声をいただいている
②戦略
・強みを活かしたテイクアウトサービスの展開
・料理提供の営業効率化
③補助事業
・テイクアウトメニューの開発およびサービス開始
コスパが良く、一人でも寄りやすい当社の強みを活かし、独身者をターゲットにした「おひとり様メニュー」をテイクアウトサービス化
・テイクアウトメニューを展開したWEBページの制作
テイクアウトメニューを充実したWEBページを制作。インスタグラムやフェイスブック等のSNS広告を出し、積極的に販促を展開
・テイクアウトサービス開始に伴う設備導入
テイクアウトを開始するために、「冷蔵庫」「キュ-ブアイススライサー」「炊飯器」を導入
④効果・補助金・補助率
〔効果〕
・非対面型ビジネスモデルへの転換
・新規顧客開拓 (1日3組以上の獲得)
・設備導入によるテイクアウトサービス提供における業務効率化(1日3時間の効率化)
・当店従業員およびお客様の感染リスクの回避
〔補助金・補助率〕
補助金100万、自己資金40万:補助率72%
(内訳)冷蔵庫20万、キューブアイススライサー10万、炊飯器5万、テイクアウト用WEBページ30万、SNS広告40万
⑵カフェのブランド化によるテイクアウト拡大の事例
<カフェ:従業員4名>
①強み
・リラックスできるゆったりとした店内空間。コンセプトは「心身を休ませるカフェ」
・旬の安心で安全な食材を用いた焼き菓子を提供
②戦略
・オリジナルデザインロゴの活用によるブランド化(カップ、紙袋等、テイクアウト用の専用も作成)
・店舗外装の整備により、外からもカフェであることがわかるようにドアを変更し、同じロゴデザインとする
・SNSを通じて季節に応じた新商品の情報等をブログやインスタグラムでPR
③補助事業
・テイクアウト用のパッキング機器の導入
・テイクアウト用のロゴデザインの制作
・ドアの取り付け
・SNS広告(インスタグラム)
④効果・補助金・補助率
〔効果〕
・ブランド力の向上
・新規顧客開拓 (1日20人以上の獲得)
・販売単価の増加(+200円アップ)
〔補助金・補助率〕
補助金53万、自己資金17万:補助率75%
(内訳)パッキング機器2万、ロゴデザイン10万、ドア取付40万、SNS広告20万
以上はほんの一例ですが、中小企業庁によると、採択事業者の97.5%が客数増加、96.0%が売上増加を実感しているとの統計情報があります。オリンピック後もおさまらないコロナ感染拡大。上記のような取組みを行うことで、アフターコロナを見据えた事業戦略の検討が必要です。
【3】補助金申請のために必要なこと
補助金は申請し、審査のうえ、採択されて初めて受け取ることができます。そのためにも事業計画の提出が必要です。公募の主旨と合った事業計画か、現事業の実態はあるか、どのような特徴、強みをもった事業なのか、事業計画の具体性・実効性はあるか?といった観点で審査されます。審査観点を踏まえた事業計画の策定が必要と言えるでしょう。自分でやるのが難しいと感じたときは、補助金申請の実績がある専門家にこれらのポイントを押さえた事業計画書を作成してもらうことで、審査に通る可能性が高くなります。
「小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型)」にチャレンジしたいと思われた方はぜひご相談ください。
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