2022年3月17日、中小企業庁は、「事業承継ガイドライン」を改訂し、前回改訂時(平成28年度)以降に事業承継に関連して生じた変化や、新たに認識された課題と対応策等を反映しました。

1.改訂の趣旨

「事業承継ガイドライン」が平成28年度に改訂されてから約5年が経過しました。この間、後継者不在率が改善傾向にあるなど事業承継は徐々に進みつつありますが、経営者の高齢化に歯止めがかからないなど事業承継の取組は道半ばと言えます。特に足下で長期化している新型コロナウイルス感染症の影響もあり、事業承継を後回しにする事業者も少なくありません。

こうした状況も踏まえて円滑な事業承継をより一層推進するため、「事業承継ガイドライン」を改訂し、前回改訂時以降に事業承継に関連して生じた変化や、新たに認識された課題と対応策等を反映しました。

2.改訂の主なポイント

①掲載データや施策等を更新

事業承継に関連する状況の変化等を明らかにするため、掲載データを更新しました。また、この間に新設・拡充等された施策等を反映しました。

事業承継は全国一律には進んでおらず、地域や業種等によって格差がある状況です。法人版事業承継税制、個人版事業承継税制、所在不明株主の整理に係る特例等の支援措置についての詳細な説明を更新、追加しています。事業承継に関する支援策一覧を別冊にて新たに用意されました。

②増加しつつある「従業員承継」や「第三者承継(M&A)」に関する説明を充実

近年増加している従業員承継や第三者承継(M&A)についての説明も充実されました。従業員承継について、事業者ヒアリング等を行い、後継者の選定・育成プロセス(後継者候補との対話、後継者教育、関係者の理解・協力等)等の内容を充実されています。第三者承継(M&A)について、令和2年3月に策定された「中小M&Aガイドライン」等の内容を反映し、充実されました。

③後継者目線に立った説明を充実

現経営者目線に立った説明だけでなく、事業を引き継ぐ後継者の目線に立った説明も充実されました。主に以下の3点を説明しています。

・事業承継の実施時期は、後継者にとっては遅い傾向にあること
・事業承継によって企業の売上高や利益が成長する傾向にあること
・事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)は、後継者候補との協力実施も有効であること

以上です。
事業承継でご不安、課題などがございましたら、「事業承継士」であり「認定経営革新等支援機関」でもある当社ビジョンパートナーズまでご相談ください。お問合せは下記まで。